女神と阿呆   前編
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 ★ ご注意!! ★

 ゾロ誕話なのに申し訳ないです。この話は原作設定ネタバレになります。
 現・本誌設定ちょい後、の2人になります。

 ・ゾロ×サンと同時にオリジナル女性×サンジの絡みがあります。
 ・女性とヤってはいませんが色んなことサレてます。
 ・表のくせに裏っぽいです。
 ・ていうか本気で裏仕様になってしまったのでそのうち裏へ行きます。
 ・じゅうはちきん。
 ・きいろい液体にごちゅうい。苦手な方すいませ…。というか毎度好きですいませ…
 
 あの2人が書けるかどうかトライを…
 ただ書くんじゃなくてどうせならえろすにトライを…
 してみたら欲望が赴きすぎた!なんか全然年齢関係なくなったよ…あれれ
 むしろ読み手の年齢が関係ありになったよ…
 
 そんなわけで!!諸々OKな方!スクロールでお読みくださいませ。
 は、はっぴーばーすでいぞろ!(←とってつけたように…
 
  

 
 
 
 
  
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
  
 
 
「ゾロ、これあげるわ」
 
 二年ぶりに足を踏み入れるせいか、まだ四隅に少しだけしんとした古い気配の残るサニー号の備蓄倉庫。
 生活導線やクルー各々で使用する頻度が高い場所から、再び段々と馴染んできたこの船にもまだこんな場所が残っているんだな。
 少しだけ感慨深く、踏み入れたその部屋でゾロはゆっくりと首を巡らせた。
 
 メリー号の時代は、どこもかしこも慣れ親しんだ匂いに満ちていて、あまりそんな事は考えなかったように思う。
 というよりもそういう埃っぽさの残る場所が、自分にとって一番、いや、自分たちにとって一番使い込んで馴染んだ部屋でもあったから。
 
 のんびりしたゾロの目の前で、長くなった髪を掻きあげてナミがフンと鼻を鳴らした。
「あーやだやだ、二年も経つとホント、大概の事じゃ動じなくなっちゃって。それともなに、修行のしすぎでソッチも興味無くなっちゃったの」
 確かに動じなくなったというか、抑えが利くようになった自信はある。…もっとも、それは。
「ふふ、頭の中で旨く処理できるようになったんじゃないかしら」
 ゾロが思うよりも先に、部屋の奥の木箱に腰掛けたロビンから、相変わらずの容赦ない突っ込みが入った。
 確かに相手が居ない二年の間に、想像の方が現実よりも逞しくなりすぎたのは認める。
 が、他人に言われるとやはり腹が立つものだ。
「何よそれ、ただのムッツリじゃない」
 呆れたように胸を逸らすナミの前で、お前こそそんな大胆な格好で惜しげもなく肌を晒すのはわざとか、と言いたい。
 それとも男とは言え全部枯れたような爺さんばかりの中にいたせいで、そういう概念がなくなってしまったのか。
 二年前まだまだ青臭かったナミは、着ている服の小ささは置いておくにせよ、俄然色気が出てきたように思う。
 元々女の外見には興味のないゾロでも、それはわかる。
 わかるがやはり、そんなナミやロビンに自分の欲求がかすりもしないのは、仕方のない事だ。
 ゾロはもう一生、あれでないと駄目なのだ。多分。
 
「……ちっ」
 ゾロは仕方なく頭を掻くと、改めてこの部屋に充満する僅かな血の匂いに目を向けた。
 お互いどんだけ年を食おうと、目の前の女どもが自分たちにとって魔女である事には変わりない。
 下手に突付かない方が身の為だ。
 
 目線の先、倉庫中央の太い柱に男が一人、括り付けられている。
 所謂ゾロにとっての、あれ、だ。
 
「な、ナミひゃん…」
 よれ、となんとも情けない声を出し、鼻から血を吹き縛られているのは阿呆だ。
 二年経っても変わらない、金髪の阿呆。
 自慢の足と両手をぐるぐると背後の柱と一緒に縛られ、暴れたのかシャツの前は破られそこに自ら流したのであろう血の跡がこびりついている。
 
「また随分……汚ねぇ格好だな」
「うるせぇ!美女に囲まれたこのヘブンに何の用だマリモ!」
 サンジはたら、と鼻から流れた血もそのままに目の色を変えて叫んだ。
「ちょっとサンジくん、血が飛んで汚いから鼻血出すのはヤメテって言ってるでしょ」
「は、ハイぃっ!ごめんねナミすわん、でも二人がそんな美女で、あまつさえ揺れるメロンに…メロンに、俺、俺…ッ」
 つ、とナミの指がサンジの頬を掠めた瞬間、堪えきれないサンジの鼻からまたもぶば、と血が流れた。
 猫のようにさっと身を引いたナミが、眉をしかめる。
「一々鼻血吹かれて天井まで飛ばれたんじゃ困るから、こうして繋いだのけど」
 いっそ吹く血がなくなるまで絞り取った方がいいのかしら?と、相変わらずの発想のロビンが小さく首をかしげた。
「近距離で紅茶注文するだけでも卒倒しちゃうから、少しは慣れて貰おうと思ったんだけどね〜」
 ナミがハア、とため息をついた。
 再会した初日に至っては、ナミやロビンが動くのを見ただけで船から飛び出しコーティングを突き抜けていたのだから、これでも随分直ってきた方だ。だがまだまだサシで女と接する事は無理らしい。
 これを機に女を追いかけるのもやめればいいと思うのだが、こいつの事だ、それは天地が引っくり返ってもないだろう。
 
「確かアンタ、そろそろ誕生日だったでしょ、だからあげるわ」
 にこっと、さわやかにナミが笑った。
 幾本もの白い手で柱から外され、ぐるぐると縛られたままの体がゾロの前に運ばれてくる。
「ろ、ロビンちゃんの手が…ッ」
 体を支えるその手に悶絶して、ガクリと気を失った阿呆。
「いい加減慣れて貰わないと、今後色んな面で困るのよ」
 ゾロはぐったりしたその体を受け取ると、ひょいと肩に担ぎ上げた。
 
「そんなもん、お前らが両手に一日ぶら下っててやりゃ直るんじゃねぇのか」
「いやよそんなの、面倒くさい」
「服が血で汚れてしまうもの」
「……」
 相変わらずな女どもの扱いに、少しだけこの阿呆が不憫に思えないこともない。
 眉を寄せたゾロに、ナミは小さく笑った。
「何よ、こーんな状態で縛られた据膳、昔のアンタなら一瞬で掻っ攫っていくのに。二年振りでしょ?とりあえず一日船番から外してあげるから、好きにしてきなさいよ」
「……おう」
 確かにその申し出を断るのはやぶさかでない。のし、と歩きかけたゾロは、ふと振り向いてニヤリと笑った。
 
「そういや、お前らも二年振りだもんな。フランキーはともかくルフィは…まぁ頑張れよ」
 船には戻らないでいてやるぜ、と捨て置けば、カッとナミの頬に朱が走った。
「うるさい!アンタのそういうところ、全然変わってないわね!」
「お前も変わってないな」
 ナミの怒声が飛ぶ前に、笑ってバタンと扉を閉めた。
 手の内にある阿呆の重み。
 なんだか酷く懐かしいそれを担いで、ゾロはサニー号の芝生を横切るとひょいと船を飛び降りた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 荷物のように男を担いで町をうろつけばすぐ、ゾロは目的の一帯へと辿りついた。それほど大きくない町は流石グランドラインも後半、住人も肝が据わっているのか、帯刀している海賊がぐったりした人間を担いでいようと皆驚きもしない。
 薄暗い路地へと入り込めば、並ぶ店の前に立つ女たちの視線が、一斉にゾロを絡め取った。
 ゾロは辺りを見回し少し考えると、灯りの眩しい表通りを外れ、奥手にある少し古めの小さな宿へと歩みを進めた。崩れそうな宿の横手で煙草を吹かしていた女に声をかける。
 女は少し気だるげにゾロを見た後、ふっと煙を吐き出した。
 
「その子は生きてるの、死んでるの、それとも人形?」
 どれでもいいけど料金に入れるわよ。
 理想的な女の返事に、ゾロは笑った。
「生きてる。一緒に…つーかこっちがメインだが、相手を頼む。それから」
 ちょっと言葉を切って考えたゾロの前で、煙草を揉み消した女が首を傾げた。
「…あと一人か二人、少し変わった趣向でもOKな奴、呼んでくれねぇか」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ギシ、うらぶれた宿の古いベッドがきしむ。
 薄いスプリングの上に入り乱れる、五人分の肌。
 
「そっかぁ、二年も女の子に触れなかったのね、可愛そゥ〜」
「じゃあ今日は思う存分触ってあげようじゃないの」
「……カワイソウ」
 きゃっきゃとはしゃぐのは、三人の下着姿の女たちだ。
 目の前の男を囲んで、皆好き勝手に手を伸ばしている。
 
「くそ、テメェ、離せ…ッ」
 その女達の声に合わせてビクビクと体を震わせているのは、二年経って少しだけ襟足の伸びた金髪頭。
 ゾロは後手に縛られたままの阿呆の手首を掴んだまま、脚の間に収まるその体の肩口に後から顎を乗せていた。
 女たちによってサンジは服も下着も剥ぎ取られ、今は袖が抜けなかった白いシャツだけを半分引っ掛けている状態だ。
 
「ヤダ、こわァい」
 サンジの声に、目の前の女が胸を抱いて身をくねらせた。
 ぼた、とベッドに盛大に血が飛ぶ。
「ち、違うんだごめんねェ〜!えーと、ライラちゃんだっけ。君に言ったんじゃなくて」
 ぐわ、と鼻血を垂らしたままサンジが後ろのゾロを振り向いた。
「お前だこのデコ緑!は・な・せ!」
「やだ」
「〜〜〜っ」
 カッチーン、ときているらしい至近距離のその顔をまじまじと見つめると、ゾロはべろっと頬を舐めた。
「んな…っ」
 ぎょっとして身を引くサンジの顔を掴んで逃げられないようにすると、さらにその髭に舌を這わせていく。
 伸びたところでその毛は細く柔らかく、サリサリとやわらかな感触を楽しむように舐めしゃぶれば、サンジがくすぐったいのか小さく唇を開いた。
 言葉が発せられる前にその下唇を食み、薄く覗いた歯列に舌を滑り込ませれば、青い目元がふわりと緩む。
「…ふ…っ」
 くちゃりと絡む舌に、吐息が混じった。
 流され易いのは相変わらずだなと思いながら、熱く柔らかな口腔をたっぷりと湿してやれば、薄く閉じられたサンジの睫が小さく震えた。
 少しだけ煙草の味のする、サンジの口の中。この唾液がどこかじわりと甘く感じるなんて、やっぱり自分も相当だ。
 
「…ぁッ!」
 突然サンジが青い目を見開き、ビクリと体を跳ねさせた。
 肩越しに覗けば、猫のような目が六つこちらを見ている。女たちの赤い唇が笑った。
 
「二人だけで気持ちよくならないでよね」
「そうよゥ」
 言いながら女が、両手で挟んだサンジのものを、ゆるりと上下にしごき始めた。
「や、ダメだって、触らな…」
「存分に触ってあげるって言ったでしょう」
 くすくすと笑うのは、ゾロが一番最初に声をかけた、この中では一番年上らしい女だ。
「この子ら二人とも上手だから、安心して身を任せておいで」
 
「……我慢、ヨクナイ」
「そうよゥ二年分、ぜーんぶ吐き出させてあげるゥ」
 にっこり笑った二人に、サンジは赤くなったり鼻血を吹いたり目をハートにしたりと忙しない。
 ゾロはサンジの長い襟足を噛みながら、汗ばむその匂いを吸い込んだ。
 耳の後ろを小さく吸い上げたりしても、サンジは女たちに夢中で構いもしない。
 まぁそれはそれでいい。元々女たちの好きにさせる為に連れてきたので、ゾロはのんびりと成り行きを見守る事にする。
 
「俺も君たちにたっくさん触りたいよほほ〜vv…て、いや、ちょ、……っああァ」
 脚の間に座り込んでサンジのものを弄っていた女が、徐に口を開けると、ぱくりとその先端を含んだ。
 余裕の表情で答えていたのも束の間、久しぶりの体にはキツすぎる衝撃だったのか、サンジの体が大きく跳ねる。
 女は手馴れた動きで幹を扱きながら、次第に深くサンジのものを咥えながら舌を動かし始めた。
「あ…ぁ…ッ」
 白い内股が痙攣し、つま先がぎゅっとシーツを掻く。
 僅かに仰け反った喉を、ゾロはゆっくりと吸い上げた。
 
 手の空いていた年長の女が、サンジの鼻を濡れたタオルでふいてやっている。
「こんなにいっぱい漏らして…ふふ、舐めてあげる」
 べろりとコックの鼻先で、女の舌が踊った。
「っ!?」
 更に噴出した血に、女が笑う。
「あァーん本当は鼻じゃなくて、もっと色んなとこから血が見たいんだけどォ」
 サンジのものを愛撫していた女が、ぬるりと濡れるサンジのものに舌を這わせながら、チラ、とゾロに視線を投げた。
 小さく見返せば、女は唇を尖らせる。
「ちぇ、カレシがダメだってェー。ねェ今度一人でおいでよ。この白い肌にたーっくさん、まっ赤な痕残してあげるからァ」
「…っ、ひ……っ」
 ちろちろとわざと先端の括れに舌をねじ込ませる女に、サンジはただ震えるばかりで答える術がない。
 面白くなさそうに、女は再びサンジのものを咥えると、じゅぶじゅぶと音を立てて吸い上げ始めた。
 
「だ、だめ、だ…離して…っ」
 切れ切れに叫ぶサンジの腹筋が、震えながら上下している。どうやら早々とイきそうらしい。
 ゾロの脚の間で逃げようと動く腰が、逆に誘っているようにも見える。
「出していいのよ?」
「そ、んな…っ」
 頭を振るサンジのシーツの上で力む脚を、ゾロは自らの脚で外側から引っ掛けるとそのまま大きく左右に割り開いた。
「な……ッ」
 腰を女に向かって大きく突き出したような格好に、ぎょっとしたサンジが暴れだす。
「遠慮すんな、金払ってんだからその分たっぷり飲んで貰え」
「そういうことじゃね、この、馬鹿……ッ」
 拘束を解こうともがくサンジの手を、ゾロはきつく押さえたまま赤くなった耳の中に舌を突っ込んだ。
「女に慣れさせてやってんだ、大人しくしとけよ」
「てめ……っ」
 商売女の前で恥も糞もないと、玄人のテクニックに抗おうとする阿呆に呆れていれば、すっと、脇で成り行きを見ていた女の手がサンジのその白い胸元に伸びた。
 少しだけ片言で表情の乏しいその女は、この中で一番華奢だ。
 緊張のせいか少しだけ硬くなっていた胸の小さな尖り。
 女はそれを細い指先で挟むと、ぎゅっと摘みあげた。
 
「ふ、ァ――…ッ!?」
「――…ん」
 突然の衝撃にサンジの背が反り、びくびくっと腰が震えた。
 脚の間に居た女の喉が上下し、うっとりと目が伏せられる。口を引き抜いた女が、満足げに唇を舐めた。
「あは、一番最初の濃いやつ貰っちゃったァ」
「……っ、ハ、はぁ……」
 薄い胸を喘がせ、サンジがぐったりと弛緩した。汗ばんだ体が、ゾロの腕の中で燃えるように熱い。
 濡れた前髪をかきあげ、年長の女がサンジの額に流れる汗を舐めた。まるで愛しい子供を見るように、その頬を撫でる。
「二年振りの女の口の中は、よかっただろう?」
 放心したまま反射的に頷いたサンジの瞼を、女はいい子だねともう一度舐めた。
 そしてどこからか取り出した大きなチューブを逆さにすると、どろりと粘度の高いジェルを手のひらに垂らした。
 赤い唇が、三日月の形を描く。
「さぁまだまだ、本番はこれからだよ」

 
 
 
 
  





* 後編へ *



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10.11.27