VDスペシャル
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「お待たせしました〜本日のおやつはガトーショコラになります〜」
いいながら切り分け、生クリームを添えた皿を出せば一人の顔を除きみんなの顔がほころんだ。
黒くつやつやとした色のケーキは我ながら絶品の出来栄えで横に美味しくはいった紅茶も添える。
はっきりいって世の大抵のお嬢さん方をこれでメロメロにさせる自信があるぞ?
現に一口食べたのちの賛辞の言葉もここ最近最大のヒット。
いや、こいつらは食わせがいってことに関しては死ぬほどあるやつらだけど今日は特にその賛辞の言葉もでかく聞こえる。
あ、ナミさんの言葉はいつも特別な響きを持って俺の耳には届くけどね〜vvv
ただ。
本当に一人だけ手をまるでだしていないやつもいるけど。
 
 
「んだー?お前、俺の作ったもんが食えねえってのか?」
たちの悪い酔っ払いのようなからみかたをするとじろりとおもいきり睨まれた。
が。
いいかげんその面にもなれたからどうも思わない。
食え、っと無言で威圧抑圧くわねーとそれこそ晩飯抜かすぞって勢いで。ついでに横から手を出そうとするルフィも含んで威圧する。
しばらく睨まれ睨み合いが続き――――…
やがて向こうが折れてケーキに手をのばした。
そーそー。大人しく最初っからくってりゃいいんだよ。
んでもって。さっくりと切り分けたというか固まりのそれを一口口に入れ。
…一気に顔色を変え紅茶をがぶのみした。相当熱いにもかかわらず一気に飲むって事は。
熱いのよりも甘さのほうが勝ったか。
まー予想どーりっていやぁそのとーりだ。
本日のはスペシャルにうまいがスペシャルに甘くもしてあるからな。
あまいもんを見ると思わず眉根の寄るやつにしてみれば拷問以外のなにものでもないか、と思わなくもないが。
やつは俺をちらりとみてまたケーキを今度は残り全部を一気に口に入れ飲み込んだ。
それはちょっと意外なようなくすぐったいような。うまいともいわないかわりにまずいとも言われない。
なんかそれだけで俺的に満足って辺りなんか結構おかしい気もするけど嬉しいもんは嬉しいんだからしょうがないよな?
 
 
さて、あいつの頭の中にカレンダーが存在し、よしんば存在しても今日という日の意味が付与されているかどうかは甚だ疑問ではあるが自分てきには大成功な気分。
普段はこれでも気をつかってんだ。
だからせめて今日くらいは今日という日に免じて許せ、と心の中でつぶやいた





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