プレゼント 7
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「ひぃっ…あ、……ぁああ!っ」
 ぐい、と押し入れた瞬間、サンジの足がビクリと痙攣したように突っ張った。
 跳ねたサンジの性器が逃げないように左手でしっかりと握り、その先端を天に向けて固定したまま、ゾロは構わず進める手に力を込めた。
「ヒ……っ…」
 真っ赤に熟れて、恥ずかしそうに涙を滴らせるサンジの先端の小さな穴…尿道を目一杯押し広げて、透明なコードらしきものが押し入れられている。
「やぁっ……いやだッ…あ、ゾロ…ッ!!」
 ちゅるりと滑り込む棒の圧迫感に、サンジの背がぞくぞくと粟立った。
 言葉に出来ない息を喘がせ、白い喉を反らしたサンジの下肢がひくひくと揺れる。
「今、半分」
 にやりと口端を歪めて、楽しげにゾロが囁く。
 目の前にある白い首筋を伝う汗を舌先で拭うと、それにすらサンジの体が小さな反応を返す。
 ゾロの手に握られているのはシリコン膜で覆われた硬い金属の棒。エースがサンジ自身に埋め込んでいて、先程ゾロが抜いてやったものだ。
 とても細いそれは、しかし本来なら一生こじ開けられることの無い場所にとっては充分過ぎる質量を感じさせて、サンジを苦しめた。
 今まで感じた事のない場所に圧迫感と、狭い肉壁をこするたびにぴりりとした痺れが走る。
 しかし既に数回達していたせいで、意志に関わらずサンジのそこはぬるぬると濡れ異物を容易に迎え入れてしまうのだ。
 ジンジンと熱い体内からじわりと汗が噴出す。腕の中でふるふると震える体に苦痛だけではないものがあるのを感じ取って、ゾロは小さく口元を歪めた。
「随分良さそうじゃねぇか。今度、カテーテルとかもやってみっか」
「……ぃっ、ゾロ…やめ、あぁっ……」
 にゅるりと飲み込まれていく棒は、時折意地悪なゾロによってねじくられ、言い様のないぞわぞわとした快感が体の中心から這い登る。
 サンジの両足はゾロの膝上から外側に向けて内側から引っ掛けられて絡めるように乗せられているせいで、背後からゾロの開く角度に合わせて大きく開かされていた。
 ゾロの逞しい肩口に頭を凭れ、腰から回り込んで自分の中心を弄る両腕に手を重ねている。
 本当はゾロの両手を引き剥がしたいのだが、波打つ体ともたらされる快感に、サンジの手はただゾロのシャツを握り締めているにすぎなかった。
「……クソッ、エースもやったのかコレ」
 忌々しげに吐き捨てるゾロの呟きも、今のサンジには半分も聞こえていない。尿道を犯すのは、先程まで確かにエースによって同じ場所に埋められていたものなのだが、実のところエースの手はこんなにいやらしくはなかった。もっとそう、患者に医者がしてやるような無機質な感じだったのだ。
 しかしそれをゾロに伝える、意味もすべもない。
 チリチリと熱い、むず痒い痛みが言い表せない場所から絶え間なしに起こっていて、それをやり過ごすのに精一杯なのだ。
「ひっ、あ…やぁッ」
 ぎちぎちに飲み込んだ入り口の、棒の回りを指でなぞれば、ビクビクっと抱えていたサンジの体が跳ね、肩口に預けられた金の髪が嫌々をするように振られた。
「てめぇ、二度とエースに触らせるんじゃねぇぞ」
 目を瞑って首を振るだけのサンジのそこに、ぎゅっと爪を押し立てる。
「わかってんのかよ!」
「ぁあッ!……」
 サンジが息を飲み、目じりからぽろりと涙が零れた。
 パンパンに張り詰めて充血した亀頭に棒を抜き差しする度に、こすられた肉孔から透明な蜜が溢れてクチュクチュといやらしい音を出している。
 でもむずがゆいそんな刺激だけではイけるわけもなく、もっと激しいものを求めてサンジは無意識に腰を揺らめかせた。握るゾロの手になすりつけるように。
 しかしぎゅうと根元を締められて、ひぃっ、と一際大きな悲鳴をあげる。
「勝手な真似すんな」
「…、ゾロっ……ねがっ…ん!」
 ゾロはそんなサンジの懇願を無視して手元をくちゅり、と捻った。と同時にサンジの四肢も波打つ様に跳ねる。
「もうヤメ…、それっ……、…くぅっ!!」
 答えの代わりに更にぐぷりと大きくねじりこまれて、サンジはビクンと身を震わせて唇を噛んだ。
 時折シュッと勢いよく差し込んでいたものを途中まで引き抜かれ、尿道を棒で擦られる痛みにびくびくと体が跳ねる。どれほどそれに耐えたのだろうか。身も心もぐったりとゾロに預けるようになった頃。
「すげぇ、全部入っちまったぜ」
 関心するような、楽しんでいるような声が耳元に落ち、サンジは羞恥の涙を滲ませた目を瞑って耐えた。
「…ぅ……っ」
 耐えたつもりが目の端から零れるものがあり、次いでゾロの熱い舌が舐めとってゆく感触。
 最早支えてなくても中心に棒を埋め込まれたサンジのモノは、ピクピクと震えながら痛々しいほど天を向いてそそり立っている。
「見てみろよ、すげえことになってるぜ」
「……ぃや、だ…」
 ふっふっ、と荒い息をつきながら、サンジはふるりと頭を振った。
 イきたいレベルまでは登らないのろのろとした甘い快感のみが続く。気が狂いそうだった。
 ゾロはにいと笑いを強めた。
「じゃあ言えよ。まだなんかあるんだろ……サンジ」
(こ…な時にだけ…名前呼びやがっ……)
 悔しさに涙の伝う目尻を、すかさずゾロが舌でなぞりあげる。
 甘い囁きに、体の奥の場所がじゅん、と疼いた。本当に欲しい場所が、熱くて熱くて。理性を吹っ飛ばして叫びたい衝動がこみ上げる。
 しかしサンジはぎゅっと、切れ切れに呼吸を飲み込んで唇を噛みしめた。
「……の、…変態ッ……」
 漏れた声音の強情さにチッとゾロは舌打ちすると、ふと新たに凶暴な笑いを口端に乗せた。
「そういやさっきは気づかなかったんだが、この細い棒にも、スイッチついてんのな」
 腕の中のサンジが、びくりと体を震わせた。ゾロの楽しげな声音に気づいたからだ。
「入れたらよ、どうなんのかね」
「ゃ……あ、ゾロッ!ヤメ…」
 途端に顔色を変えてもがきだしたサンジに、ゾロは笑って耳を噛んだ。低い声でじっとりと囁く。
「ヤメねぇよ」





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