プレゼント 10 |
「入り口までは来てるんだが、以外に大きくて指じゃ掻き出せネェ。自分で出せ」 低くて熱いゾロの囁きが、どこか遠くで聞こえる。 力の抜けた手をゾロが自分の足まで導き、膝裏を抱えさせられた。その膝をぐっとゾロの手が左右に割り開く。 ゾロの手も熱く湿っていた。 ズルリと手が滑り、サンジはそれで自分の体が熱く、汗を滴らせていることに気づいた。 「オラ、ちゃんと抱えてろ」 駄目だろう、とまるで小さい子に言うみたいにゾロが甘く囁くので、サンジは滑る自分の両脚を一生懸命抱えなおした。 朦朧とする視界で、ゾロの熱い目がまっすぐ自分を見つめている。 いつのまにかサンジのアナルにはゾロの指がたくさん入り込んでいて、くちゃくちゃと後孔をいじられながらもサンジはその目線でどこかもっと別の部分が熱く溶け出していくのを感じた。 「…っふ、……う、あ」 イヤイヤをするようにサンジが首を振って涙をこぼす。 広げられたその穴を出入りするゾロの指が、びしゃびしゃに濡れている。その液体が自分の真っ赤にそそり立つ性器から流れ出ているのがわかって、サンジは居たたまれなさに目をすがめた。 「ぁ…もう……ゆる、し…」 ゾロが何に対し怒っていて、何に対して許しを請うているのか、既に口走ったサンジにもわからなくなっている。 「駄目だ。オラいきめ」 静かな声で、促すようにぐちゃりとかき回された。 「ひぁぅ、んん…ッ!」 むずがゆい感覚にもじもじと尻を揺すると、とろりとろりと注ぎ込まれていたゾロのものが溢れ、まるで粗相をしているような感覚に陥る。 みじめな格好だ。しかしそんな自分の姿を、目の前の男はぎらぎらとたぎる熱い真っ直ぐな目で見つめている。 (こんなみっともねぇ格好の俺に、欲情、してんのか) 熱いゾロの視線がサンジの胸の奥をふつりと沸き立たせ、そこからじんわりとした熱が体内に広がって行く。 見られているだけで、熱い。ふわふわと浮かされた意識でサンジは小さくゾロの名前を呼んだ。 「感じてんのかよ、しょうがねぇな」 ゾロはサンジの中心に手を伸ばすと、ぐりっと割れ目に親指を押し当てた。 「ひッ、やぁっ…!?」 既に感覚のなかったそこは、それでもやはり蜜を零していたようで、ぬるりとゾロの指が表面を滑る感じに肌が粟立った。 「あ…あッ……」 くちょくちょと前と後の両方の穴をいじられて、サンジの両膝がぶるぶると震えだした。 生理的な嫌悪感と、背徳的な快感がぞくぞくっと全身を駆け上ってくる。 「……イケよ」 一際大きく内部を引っかいて、ずぽっと勢いよくゾロの指が引き抜かれた。 「ぅあ、ぁあッ――…!!」 目の前が真っ白にスパークする。 サンジは今日何度目になるかもわからない白濁を吹き上げて、そのままくたりと意識を手放した。 その後孔からとぷりとした液体と共に、赤い塊が一つ産み落とされた。 そして。 ゾロの二十歳と一日目の朝は、まずサンジを抱きしめるところから始まった。 目覚めてしばらくしたサンジは、途端に顔を真っ赤にさせたかと思うと抱きしめられていたゾロの腕を振り解いてベッド降りようとして失敗し、(体に力が入らなかったらしく、そのまま背面から床にダイブしかかったところを慌てたゾロに抱きかかえられた)次いでゾロをめちゃくちゃに罵ろうと開いた大口からはなんとも哀れな掠れ声しかでなく。(それに自分でびっくりして開かれた青い目玉が綺麗で、本能的に舐めたら更に顔を茹でさせたサンジに頭突きをかまされた。昨日と同じ場所にクリーンヒットして、ゾロはこれからこの新技に対抗する技を編み出さねばと心に決めた。) 拗ねたようにへにゅっと下がった眉毛がこれまた可愛かったので、ゾロは胸に抱いた白い体をぎゅーっと力を込めて抱えなおしたのだ。 「…てめ、もう離せ……」 「あ?ふざけんな。誰がてめぇを手放すか。俺は一度大事にするって決めたもんは絶対手放さねぇんだ」 「そ…そういう意味じゃねぇ!」 なんだか凄い告白までされ、ついでに小学校時代から大事なもんは未だにちゃんと保管してあるという証拠に、自宅の押入れに仕舞ってあるわけのわからないメモリアルを拝まされそうになったサンジは、もう何から言えばいいのかわからずただ真っ赤になったまま、ぎゅっとゾロにしがみついた。 「それより飯…昨日作ったままの…キッチンに連れてけ」 掠れた声を振り絞ってなんとかそれだけを伝えて、茹った顔を見られないようにゾロの肩に押し付けた。 サンジの体が自分と同じようにとくとくと早いリズムを打っていることに満足して、ゾロはにっかりと笑うとサンジを抱き上げ、二十歳と一日目、初めてのキスをした。 |