月光
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 ガタン、と物音がして、ゾロの意識は覚醒した。
 倉庫に蒼く差し込む月明かり。
 暗闇でも見慣れた物陰に、瞬時にここがメリー号の格納庫であると理解する。
 物音がした方に意識を集中させると、殺気ではないが辺りを伺うように押し殺した気配が甲板を移動している。
 ゾロはそっと身を起こすと自らも気配を殺して、甲板に続く扉を薄く開けた。
 背を付けた壁のひやりとした感触に、自分が上半身裸であることに初めて気づく。
 見張り台ではなく、どうやら倉庫でそのまま眠り込んでしまったらしい。トレーニング用の道具を置いた後にそのまま寝転がってしまうことはゾロにとってよくあることだ。
 
 寝起きのせいで曖昧だった記憶が戻ってくる。
 メリー号は今島に停泊中のはずだ。
 船番のゾロを除いて皆島に出払っていて、故にこんな夜更けに訪れるのは船を狙った不貞の輩に他ならないだろう…そう目を走らせれば、月明かりで明るい甲板を歩く人影がひとつ。
 意外なことにそれは野盗でも海賊でもなく。
 いつも挑戦的な目で自分を睨み、事あるごとに喧嘩の絶えないこの船のコック――サンジであった。
 月明かりにもよく目立つ金髪に、細長いシルエット。
 こんな時間に帰ってくるとは珍しい。
 なんだと肩の力を抜いたゾロは、そこでサンジの動きが妙なことに気が付いた。
 船の手すりにもたれるように掴まり、どこかを痛めているのか引きずるような足取りが時折止まる。
 風呂場へ行こうとしているのか、前方の船倉にいるゾロからはサンジの白いシャツの丸めた背中しか見えない。
 が、よく見ればそのシャツも黒いズボンもぐしゃぐしゃだった。
 明らかに誰かと争った跡。
 ……町で喧嘩でもしてきたのか。
 あのコックが怪我をするとはよほどの強敵か、ヘマをしたか。
 まあきっと女絡みで後者だろう。
 そんな下手を打った姿を自分に見られたと知ったらあのコックのことだ、なにかと騒いでめんどくさい。
 ならば何も見ない振りでこのまま寝直してしまおうと思ったゾロだが、ふとその月明かりに光る金髪の下で目が止まった。
 夜目にもはっきりわかる、コックの真っ白い首筋。
 
 そこにいくつも花のように散る、赤紫色の、跡。
 
 それを認めた途端、強烈な光を浴びたように一瞬思考が停止して。
 そして気づけばゾロは思い切り扉を開けていた。
 
 
 
 静かな空気の中に響いた音にビクリと肩を震わせて、サンジが振り向いた。 
「…何やってる」
 うなるような低い声を出したゾロを、月明かりの下で幾分青ざめたような顔が見つめた。
 シャツは破かれたのか前を留めるボタンは取れたままで、かろうじて肩にひっかかっている状態。覗く白い肌には予想通り、赤黒いいくつかの跡が見て取れた。
 サンジの普段は煙草を咥えているその口端にこびり付いた血を見て、ゾロは無意識に舌打ちをした。 
 見開かれていた青い瞳はその音にハッと我に返ったようで、ギッと力を込めてゾロを睨み返してきた。
「テメェに関係ねぇだろ」
 少し掠れた声。ひどく頼りなげなそれに苦々しく顔を歪めたのはサンジ自身だった。
 ゾロの目線を無理やり引き剥がすように、きびすを返す。
 さっきまで立つのもやっとといった風情だったのに、ゾロの目があるからだろう、何でもないように背筋を張って毅然とした態度で歩き始める。
 仲間ではあるが、気が合わず馴れ合った試しはない。
 同い年であるからこそ、弱みを見られることは屈辱。
 そんな相手であるとわかっているのに、何故かその強さに今はぐらりと腹が煮えた。
「…テメェ」
 本能的に伸ばした手。
 掴めば痛がるか、動じなければこちらに引き倒してしまおうと思って強を込めた手は、しかし触れる寸前でバシッ!と振り払われた。
「触んな…ッ!」
 驚くほど素早い拒絶。そして何かに怯えるように自分を見るその青い光の揺れに、ゾロの方が目を見開いた。
 距離を取るように、小さくサンジが甲板を後じさる。
 ゾロを払いのけた手は、その震えを隠すようにぎゅっと白いシャツの端を握り締めた。
 
 いつも自分から目を逸らさないコック。
 どんな危機に陥っても、決して弱音など吐かない、そんなサンジが今自分を拒む。
 どこの誰とも知らない相手の影に怯えて、自分から逃げようとしている。
 その姿に無性に腹が立った。
 
 その目が真っ直ぐ自分を捉えないからか。
 知らない喧嘩相手に勝手に姿を重ねられたからか。
 初めて見たコックの弱々しい様子に、らしくもなく動揺していたのか。
 自分のこの衝動に理由さえ見つけられないまま、暗い、暗い怒りに再び目が眩んで。
 
 何かを叫ぼうとするそのうるさい口を手で塞ぎ、みぞおちに手刀を当てる。
 青い目がすっと光を失い、がくりと力の抜けた体をゾロは腕に抱きとめた。
 
 理由だとか、自分は一体何をしているのかとか、そいうった状況が何一つ見えていない。
 ただ不思議と世界は冴え渡っていて、上空から自分たちを見下ろす蒼い月光と、地の底から自分を突き動かす暗くて熱い欲望だけがはっきりと感じ取れていた。
 当て身を食らわせただけなのですぐに目を覚ますだろうサンジをひとまず甲板に横たえると、格納庫から縄を持ってくる。
 そして脚を開いた状態でサンジを立たせると、船の手すりに両の手首足首をそのまま左右に括り付けた。
 
 
 
 
「う……」
 最後の手を縛り終えた頃、サンジが意識を取り戻した。
 しばらくは視界が霞むのかまばたきを繰り返していたが、やがて目の前に立つゾロに気づき、そして自由にならない手足に自分の状況を理解したらしい。
「一体何の真似だこりゃぁ……」
 獣が警戒して低く唸るように、サンジが剣呑な目を向けた。
「テメェこそ、随分な有様じゃねぇか」
 高みから笑うように言ってやると、ぎり、と怒りのためか、力の込められた手足を繋ぐ縄が軋みを上げた。
 めくれた布の合間から白い胸元がのぞく。
 そこかしこに散る、赤い痕跡。
「…男にやられたのか」
 笑みを消してサンジを見下ろす。
 サンジは一瞬何を聞かれたのかわからないというように呆けた顔をしたが、やがて小馬鹿にしたようにゾロを見ると、代わりにその口を歪めた。
「――ハッ、剣豪様が何真面目くさった顔で聞いてくださるかと思いきや…」
「…言いたくねぇなら確かめてやる」
 それ以上どうでもいいコックの浮ついた台詞など聞きたくなかったので、ゾロはそのままサンジのシャツに手をかけた。
 
 
 ビッと毟り取るようにサンジのシャツを引き裂くと、元々用を成していなかった布はあっけなく破れて床に落ちた。
「……随分可愛がって貰ったみたいじゃねぇか」
 月明かりの下に浮かび上がるコックの肌。それは凄惨な有様だった。
 薄くて白い肌には至る所に打撲と裂傷。
 何より目をひいたのは、吸い上げられた跡であろう鬱血と、そして未だ血の滲む歯型。
 容赦なく食い込む牙に、やわらかい肌が震える。
 嬲ったことのないゾロですら、その瞬間の感触が手に取るようにわかるようだった。
 薄い色をした胸の突起のすぐ横にあったその歯型を、なぞるように指で触れた。
 小さくサンジの肌が粟立ち、カッと、ゾロの頭の奥が燃えるように熱くなった。
 
 すると突然コックは皮肉めいた笑いをのせて、動きを止めたゾロを見下すようについと顎を反らした。
「ああ、飢えた獣みてぇだったぜ。余程腹が減ってたんだろうな」
 ちょっと近づいてみりゃ、こうだもんよ。
 くつくつと笑うその猫のような青い目がゾロを見た。
 挑戦的に。誘うように。
「……喰われちまった」
 何が面白いのか笑みを貼り付けたまま舐める唇は、まるで誘いに手馴れた女のようで。
 ゾロは力任せにベルトを引きちぎると、サンジの下半身を月の下に晒した。
 
 
 
 黒いボトムの中は下着も何も身に付けておらず、やはり上半身と同じようにいくつもの歯型が目に付いた。
 白くて柔らかそうな内腿。外気に触れて縮こまって揺れる性器の、際どい付け根部分にまでそれは散らばっている。
 ゾロは黙ってサンジの脚に手をかけた。
 びくりと僅かに震えた肌はその白さに比例するように冷たく、逆にゾロは自分自身の手の熱さを初めて自覚した。
 サンジを見ればまるで何かを耐えるように、けれど決して負けるものかというように怒りに燃えた目で自分を睨みつけている。
 その刺さるような目線がひどく心地良くて、ゾロは自らも不敵な笑みをサンジにぶつけたまま開いた脚の間に指を差し入れた。
 柔らかく頼りない金色の恥毛の奥、閉ざされた襞をなぞるように指を這わす。
「……ッ」
 探り当てると、小さく喉を鳴らしてサンジが息を詰めた。
 信じられないと言うように、見開いた青い目がゾロを映す。
 ゾロ自身、まさかコックを裸に剥いてこんなところに指を入れる日が来るとは思っていなかった。
 滑稽さに湧き上がる笑みを殺して、ぐっとひとさし指を固い窄まりに突き入れる。
 そこは途端にぎゅっとゾロの指を押し返し、サンジが小さくうめいた。
 それでも構わず力任せに指を進めると、くぷんと第二関節までが飲み込まれた。
「な……あ…!」
 サンジの中はきつくて、そしてとても熱かった。
 柔らかな腸壁が指の腹に触れる。
 なじませるように指先を曲げてぐるりと指を蠢かせると、その先にどろどろとぬかるんだものが触れて、ゾロは眉をしかめた。
 かたかたと小さくサンジの脚が震えている。
 気づいてはいたがそれを無視して、ゾロは軽く指を引き抜くと今度は中指を添えて一気に中に潜り込ませた。
「……ぃッ!」
 逃れようと体を浮かせたサンジの、繋がれたままの脚の腱が月明かりに綺麗に浮きあがる。
 ゾロは無表情にそれを見ていた。
 潜り込ませた指先の熱さ感じる度に、白い体が跳ねる。
 漠然と。
 こんなに綺麗なものに、たくさんの跡がついているのが信じられないと思った。
 それが汚いだとか、汚れているだとかは思わない。
 ただ、ただ。
 
 
 どうしようもなく悔しいだけだ。
 
 
 
 
「あ…あ、や……」
 ぐぐっと中で広げられたゾロの指の動きに、初めてサンジが抵抗らしい言葉を吐いた。
 構わず内部で揃えていた二本の指の間を開き、ぱかりと後孔の口を開けさせる。
 するとやがて重力に従って中からとろとろと溢れ出してきたもの。
 白くて粘着質な液体。
 パタッ、とサンジの体温に暖められれいたそれが、甲板に落ちた。
 一滴零れてしまうと後は抑えようもなく。腸中に注ぎ込まれていたそれはボタボタと塊を作って垂直に流れ落ち、次々に冷えた床にはしたない染みを作っていく。
 穴を広げたままのゾロの手にもそれは伝い、手首から肘にかけてぽたりぽたりと滴り落ちる。
 劣情の証。
「ひ……」
 排泄を堪えようとしているのか、サンジの腹筋がピクピクと動いている。
 ゾロの指を咥えた部分の筋もそれに合わせてきゅうきゅうと締まるが、ゾロはそれを許さなかった。
 何者かの跡がコックの中から出てしまうまで。
 時折促すように腸壁を指でくすぐっては、次々と流れ出るそれを眺めた。
 荒い呼吸を押し込めながら唇を噛んでいたサンジが、とうとう堪えきれないように顔を逸らした。
 さらりと流れた金髪。
 しかしその首筋に咲く赤い花が目前に突きつけられて、ゾロは忌々しげに細い顎を掴むと自分に向き直らせた。
「男にやられたんだな」
 ほのかに揺れる青い光を、確認するように冷えた声で覗き込む。
「……」
 サンジは屈辱に震えるように、ぎゅっと唇を噛み締めた。
「それとも自分から、やらせたのかよ?」
 ゾロの目が、サンジの下腹部に落ちた。
 そこで小さく兆しているサンジ自身。
「…この分なら充分楽しんだみたいだな」
 なぜか薄い笑いが込み上げてきた。
 
 
 
 
 
 その時ぱたぱたっ、と冷たいものが手に落ちてきて。
 顔を上げたゾロは、ぎょっと目をむいた。
 色を失ったような虚ろな瞳。
 力ないそれが、ただ音もなく涙を流していた。
「満足か」
 震えも掠れもしない、ただ真っ直ぐな声がゾロに降る。
「俺はどんなヤツとでも、…楽しむさ」
 淡々とした声。
 しかしその声と共にサンジの何かがぽろぽろと壊れ、零れていくようで、ゾロは慌ててその白い両肩を掴んだ。
「それで、…満足か」
「……ッ!」
 手中の肌は体温を失い、まるで人形のようだ。
 瞬きもしない瞳から、透明な雫がどんどん流れ落ちていく。
 ゾロは愕然と、サンジを見つめた。
 
 そんな言葉が聞きたいわけじゃない。
 自らを抉るようなことを言わせたいわけじゃなかった。
「…チクショウ!!」
 ごうごうとした激しい何かが自分の中に渦巻いている。
 自分と対等な強さ。怯まない目線。逸らされることのない感情。
 揺るがないと思っていたもの。思っていたものの隙間に初めて見えた、本当の顔。
 
 簡単な言葉に置き換えられるような生ぬるい上辺の感情ではない。
 目の前の存在。その一片でも自分の知らぬどこかに注がれていることが、ひどく腹立たしい。
 けれど苛立つその感情の端々をぶつけることしか、ゾロには出来ない。
 その源流が何であるのか、何をもって諌めることができるのか、わからなかった。
 ただ熱だけが溢れたような自分の両手を、呆然と見つめる。
 
 たまらなくて、ゾロはその手を交差させるようにサンジの冷えた体を抱きしめた。
 ゾロの裸の上半身をぴたりと合わせて、きつく抱きしめる。
 けれど腕の中、サンジの体はどんどん冷えていく。
 代わりに自分の体は焦ったように鼓動が早くなるばかりだ。
 動かない手足。
 冷たい体。
 温度のない言葉。
 そうさせたのは自分だ。
 けれど。
「満足するわけ、ねぇだろう…!」
 まるで我侭な子供だ。
 自分の思うようにならない怒りをぶつけて、それでも手に入らないから泣いて、わめいて、そして壊す。
「――なら、もう…好きに、…すればいい」
 表情と同じく色を失った唇が動いた。
 あきらめたように、全てを手放す言葉。
 ゆっくりと瞳を閉じたサンジの体を、ゾロは慌てて揺さぶった。
「違う!俺は…」
 相手は逃げられるはずもない体勢なのに、どこかすり抜けて行ってしまいそうな不安に駆られて必死に腕に閉じ込める。
「俺ァ……」
 ゾロは大きく重い空気を吸い込んだ。
 吸い込んでから少し迷い、けれど胃の奥に溜まるような感情を乗せて、吐き出した。
 
 
「ただ、てめぇが欲しいだけだ」
 
 
 
 サンジの青い目が大きく一度、ゆっくりとまたたいた。
 その動きに合わせて、目の端から透明な雫がぼろっと零れる。
「欲しいのか」
 感情もなく、サンジが繰り返す。
「……欲しい」
 その目をしっかりと見てゾロは告げた。
「っ……」
 サンジの白い喉がひくりと大きく揺れた。
 
 
「なん…、なんでそれを…最初に、いわねぇんだ」
 くぅッと唸るように目を閉じたサンジから、再びボロボロっと涙が零れ落ちた。
 
 
「なんで、こんなこと、しやがッ……」
 掠れた声で叫ぶサンジを押さえ込むように、ゾロは腕に力を入れた。
「どこの誰ともわかんねぇヤツに喰われやがって!てめぇが悪ぃ!」
「…んだ、それっ……どんな逆ギレだ、畜生……ッ!」
 合わせた胸から早い鼓動が聞こえてきて、ゾロは再び熱の入り始めた肌の背を手でなぞった。
 宥めるように、何度も何度も撫でる。
「どこの誰とも…って、」
 サンジの言葉に合わせて、じわりと汗ばんだ互いの胸が震える。
 涙でひきつれる呼吸を飲み込んで、サンジがゾロを睨み上げた。
「全部テメェのじゃねぇか…チクショウ」
 ていうか一体俺の中にいったいどんだけ出してやがったんだ、となんだかいたたまれないように甲板に目をやったサンジは、そこに撒き散らされた白い液体にカーッと首筋を朱に染めた。
 
 
 
「……ア?」
 ゾロの手がぴたりと止まった。
 
 
 
「…ちょっとまて……誰が、やったって…?」
「てめぇしかいねぇだろうがッ」
 こんの強姦魔ッ!と叫んだサンジが、赤い顔でいいから早く縄を解けと暴れ始める。
「俺…?」
「あん?何固まってやがんだ、テメ……」
 不審げにサンジがゾロを見上げた。
 サンジを抱えていた手をひとつ、ゾロは自分の頭に回す。
 後頭部を触ったら、ずきりとした。
「アァ?」
 間抜けな声を漏らしたゾロの顔に、サンジの眉がぐぐっと吊り上げられた。
 
 
「……あ?」
 そしてぱかっと目を開いたゾロが思い出すのと。
 怒りに燃えたサンジの黄金の脚が戒めをぶっちぎってゾロの後頭部のタンコブに再び振り下ろされるのは、ほぼ同時だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 月明かりが差し込む、狭くて暗い格納庫。
 熱い呼吸が2つ、ひっきりなしに跳ねている。
「じ、自分に嫉妬しやがって、…あ、アホか、…ァ、あッ…」
 その合間に、先ほどから笑うようなサンジの声を止めるのに、ゾロは必死だ。
 それでも今ではサンジの腕は自分に回され、その白い肌はどとらのものかわからないくらい熱を持ち、溶け合っている。
 最初は間違いだらけの、獣のような一方的な交わりでしかなかった。
「あークソ、勿体ネェ…せっかく入れたモン、全部掻き出しちまったじゃねぇか」
「…っ、馬鹿かッ」
 ゾロの言葉に目元を赤く染めたサンジの脚が、たどたどしくも振り下ろされる。
 
 心の奥に潜むこの獣を躾るにはまだ遠い。
 しかしこの肌の暖かさを忘れなければ、いつか、きっと。
 
 格納庫から覗く蒼い月が、静かに笑った。




*END*



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いきなり襲われた挙句、その痕にまた勝手に逆ギレされた、ふんだりけったりなサンジの話…
ようは尋問プレイが書きたかった…。まぁ、なんだかんだで両思い。